ライトノベル、本好きの下剋上の魅力を紹介してみる
「本好きの下剋上」とは?
オンライン小説投稿サイト「小説家になろう」にて2013年に連載開始、2017年に完結、2015年に書籍化。
正式タイトルは「本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません」
原作者である香月美夜さんは「小説家になろう」では珍しい女性の方ですが、男性・女性共に支持されている作品です。
また、宝島社が発行するライトノベルのガイドブック「このライトノベルがすごい!」では、2018年に単行本・ノベルズ部門で第1位を獲得もしています。
簡単なあらすじ
本が好きで好きでたまらない女性、本須 麗乃(もとすうらの)。
本好きというより本狂いと言われても仕方のない彼女は司書資格を取り大学図書館への就職が決まる。
しかし、自室に過ごしているときに大地震により本に埋もれて死んでしまうのであった。
目が覚めるとそこは平民の識字率が低い、どことなく中世ヨーロッパに似た世界。
この世界の兵士の娘、マインに転生した彼女は本どころか周りに字が存在しないことに絶望しながらも足掻いていく。
「本がないならどうする? 作ってしまえばいいじゃない」
ここが面白い
基本的に主人公の一人称視点で進むので最初は世界観が分からず、徐々に本好きの下剋上の世界観が明らかになっていくところが非常にワクワクできます。
主人公であるマインの本狂いによる暴走、それを抑える家族や他の登場キャラクター達。
試行錯誤しながら本を作っていくうちに色々なことが判明していき、そこから生まれる展開が最初から最後まで読めず飽きさせない作り。
私はあまりに見事にハマってしまって軽く読んでしまったが最後、寝不足になりながら一気に終わりまで読んでしまいました。
たまに閑話も入り、他キャラクターの視点になって初めて主人公の規格外っぷりが分かるのも読んでいて面白かったです。
魔力のあるファンタジーの世界ではあるのですが、よくある異世界物のテンプレのような、主人公が何でもできて最強が少ない。
むしろ体力的には軽く走ったら倒れるくらいの虚弱体質。
本好きの下剋上は主人公以外の登場人物も一癖も二癖も個性があり、読んでいて好きになるキャラクターが多く、
今この人はどういうことを思っているんだろうか?みたいなことも考えたりしていました。
個人的にもの凄く面白くなるポイントは第一部中盤の「商人との会合」以降、そして第二部のラスト。
少しでも気になった方は第二部が終わるところまでは読んでほしいです。
テーマは家族愛
本好きの下剋上というタイトルだけあって本がテーマの本作ですが、それと同じ以上に重要なテーマが家族愛。
主人公マインの家族がとても暖かくて、こういう家族って良いなあって何度も思わされました。
他にもマインを支えてくれる(マインに振り回されていくとも言う)キャラクター達も優しい人達が多く暖かい。
それだけに何度も降りかかる試練や話の展開で心が苦しくなったり、感情移入しすぎて感動も含めて何度も泣いたりしました。
どういう感じに話が進んでいくのかは実際に読んでみて確かめてほしいです。
なろう版と書籍版の違い
なろう版をベースに書籍版は一部校正されており、毎巻の冒頭と結末の視点が他キャラクターに変更されていたりします。
また、新規のお話もいくつか収録されているのでなろう版読者も楽しめる内容となっています。
それ以外にも書籍では外伝やファンブックも発売されてます。
コミック版もオススメ!
今なら第一部のコミック版も出ているので最初にそちらを読むのもオススメです。
鈴華先生による細かい気配りのあるイラストと、キャラクターのほんわかとした表情は素晴らしいです。
コミック版を読んだら先が気になって仕方なくなり、小説を読みに行くパターンもよく聞きます。
少しでも気になった人は読んでみてはいかがでしょうか。